どうしてビールは「とりあえず」なのか。
ビールを不味いとしか思えなかった頃、大人たちの言う、「とりあえず生」が格好良くて仕方なかった。
誰もが通らざるを得ない道、そうしていつのまにか通学路のようになっているもの、そう、それがビールというもの
ビールは通過儀礼だ。
好きでも嫌いでも飲まねばならぬ。ならぬものはならぬ。そうして味を覚え好意を覚えていく。
いつの間にか私も一先ずビールを頼むようになり、あの頃の「とりあえず生」への憧れは薄れ果てた。
確かにビールは美味い。生ビールなら尚よい。甘くもなくキツくもなくあの黄金:純白=7:3の見た目も美しい。まず先に飲みたくなる。
カクテルでも焼酎でもワインでもなく、何よりも先ず、ビール。ビールは凄い。ソフトドリンク界で言えば水だ。だからビールは凄い。
しかし何故、「とりあえず」なのか。
気持ちはわかる。私も時折とりあえず注文する。しかしそれでよいのだろうか。
「とりあえず」という言葉は使うな、と誰かに教わったことがある。諦め感というのか、そういった負の感情が浮き出るから、ということらしい。私もそう思う。
だからな、ビール好きの大衆、本当にビールが好きならば、「とりあえず」はやめような。
「何よりもビール!」「我先にビール!」もしくは「生!」の一言で頼もうな。と私は思うのである。
が、ビールは太るしハゲる(らしい)。
よくない。非常によくない。
時折、なんでこんなものを(失礼)飲んでいるのか、と思うことがある。
けれどビールは旨い。
だから飲料会社は一刻も早く、ビールではない、限りなくビールに近いものを開発してくれ。太らないしハゲないやつ。
と思う日々が続く