リンカーン

 

 

今日もまた、一日生き延びた。


一日を生き抜く事が、どれほどに偉大なことであるのか、昨日突然に気が付いてしまった。

 

 

一日の間に、命を狙われるタイミングなんて沢山ある。

 

朝、ベッドから落ちて脳を打つかもしれない。階段から転げ落ちるかもしれない。朝ご飯を喉に詰まらせるかもしれない。赤信号の道から車が突っ込んでくるかもしれない。高圧ガスを載せた車が目の前で横転するかもしれない。歩道橋が崩れ落ちてくるかもしれない。道案内をしたお婆ちゃんがテロリストかもしれない。会社に強盗が入ってくるかもしれない。雷に打たれるかもしれないし竜巻に巻き込まれるかもしれないし、星が落っこちてくるかもしれない。大気圏が破られて、物凄い勢いで真空が地球に入り込んでくるかもしれない。唐突に氷河期がやってくるかもしれない。家に帰ったらサイコパスがいるかもしれない。眠っている間に、家を焼かれるかもしれない。

 


一日の間に、何百も、命の危険がある。それが毎日続く。それらを、マトリックスの有名なワンシーンのように、フワンフワンフワン、と避けている。むしろ私の周りに見えないバリアがあって、それらの危険が、危険のほうから逃げていくんではないかと思うくらいに、逸れていく。

 

一日を生き延びる毎に、なんていうのか、奇跡の確率が高く上がっていく気がする。例えば一日に10個危険があれば、奇跡は10分の1(11分の1?)、二日生き延びれば20分の1、あれ、100分の1?確率って二乗?掛けるの?えっ?全然わからない。小学生の時KUMONとか超やってたけど超わかんない

 

 

とにかく、今日を生き延びたことに、胸を張るべきだ。死んでしまうことがダメな事ではないけれど、生き延びた私たちは凄い。もっと、静かなところで、ゆっくり、息をするべきだ。でないと、ほとんどの人が、いかに自分が偉大であるかに気が付かない。

 

 

 

話にはオチがないといけない。かく言う私はよく、オチが無いと言われるけれど、それはそれでこれはこれだ。いいか、それはそれで、これはこれだ。

 

それでもってオチを付けねばと、アメリカの有名な元大統領エイブラハム・リンカーンについて一旦書きかけたのだけど、ふざけ過ぎて政府に抹消されそうな気がして、不安と恐怖に勝てず止めた。

 

 

(タイトルはその名残)