昔懐かしのものを掘り返すと、一生そこから抜け出せなくなるのでは、と最近不安になる。

 

その日その場所に閉じ込められている何万体もの自分が、ここぞとばかりに手を伸ばして私の足首を掴もうとしてくる。

 

みんな寂しい。
私も寂しい。

 

だけれどそこに居座ってしまっては、幾らそこがこれまでで一番幸福な場所であったとしても、よくないのだと思う。例え死ぬまでで一番よい場所であったとしても

 

だからあんまり、過去の思い出に浸ってみたり、昔好きだったものに触れてみたりするのは、よくない。別によいのだけど。

 

いつだって今の自分が一番強いけれど、それでも同じ私、いつ引きずり込まれてもおかしくないものよ

 

 

 

こう、私は、私の私による私の為の、私だけの道を築き歩き人生を形成していくわけだけれど、どうやったって周りの引力に引かれて、重力に押されて、仕掛けられた石ころに躓いて、落とし穴に気が付いて遠回りをして、そういうふうに生きていて、生きて行かねばいけなくて、それでよいのかと時折疑う。

 

雨が降ったから予定を変えたり、夏だからと明るい衣装を纏ってみたり、好きな人の好きな音楽を聴いてみたり、憧れている人の目線の先を覗いてみたり、電車が遅延していて別の線に乗り換えたり、明日は早いからといつもより早く布団に入ったり、挙げたらキリが無いくらい、私は一人では生きていない。

 


本当によいのだろうか、
本当にそうしたいのだろうか、
はて、さて、真実や如何に、

 


そうであってもこれが全部、私の全部であったらよいなぁ。

 

これが私の人生で、これが私の生き方で、これが私の思考回路で、これが私そのものであったら、それがよい。

 

 

 


今日はもう少し、夜更かしをしよう〜