廻る

 

 

昔、小さい頃、ある友人に、

「あなたは〇〇に似てる」と、
彼女の嫌いな食べ物に喩えられたことがあったなぁと、家で歯を磨きながらふと思い出した。

 

ずっと記憶の彼方にあったものが何故いまふと、当たり前のように帰ってきたのかと不思議に思う。

 


今となっては物凄くどうでもいい。
ただ、その時は物凄く嫌な思いをしたなぁと、懐かしく思う。

 

 

 

 

 

ずっと彼女が嫌いだった。

 

 


それからうんと過ぎて、しばらく前になるけど彼女と会って、なんていうか、変わった。お互いに。

 

彼女は素敵な人になっていて、私も大人になった。たぶん。


とりわけ連絡を取り合う仲ではないけれど、時の強さは凄いなと感じた。

 

 

 

 

 

大人になったら復讐してやる、と思っていたの。
復讐という言葉の重み、恐ろしさを全くわかっていなかったのだけれど。

 

 

もうどうでもよい。
投げやりな意味でなくて、水溜まりの水が、陽に照らされてどんどん蒸発して無くなっていくように、それくらい自然に、どうでもよいな、と今は思っている。

 

 


他人のことをあれやこれや言うけれど、自分もこれまでに、色んな人を傷付けてきた。故意にも、不意にも。

そういうふうに、廻っているのだと思う。

 

 

自分が傷付けた分、自分も傷付けられて、誰かが耐えてくれた分、私も耐えなければいけない。

 

親切にしてもらった分、私も大切にせねばいけない。

 

 

 


よいことがどんどん、廻っていったらよいなぁ。心の中の軸のようなものが、少しシャキッとした。