石田ゆり子さん

 

 

以前、石田ゆり子さんの、『天然日和』というエッセイ本を読んだことがある。

 

そこまで読むわけではないけれど、本が、エッセイ本や詩集が特に好きで、これまで読んだ本の中でこの本が一番、素敵だと思った。

 


これまで、石田ゆり子という人に関して、さして興味が無かった。(彼女が超他人で私が超凡人だから、堂々書いてしまうけれど。)本人もこの本の中で言っていた気がするけれど、幸が薄そうで、今にも消え入りそうな声と哀愁漂う表情を持ち、インパクトが無いというインパクトの強い人だった。たぶんまだ彼女が30代くらいの頃の印象。


それが、これを読んで一変、なんて素敵な人なんだろう、なんて真っ直ぐでユーモアがあって愛らしい人なんだろうと思い、それ以降彼女をテレビ越しに見る時は、周りの誰より透明で輝いて見えた。そのなんと美しいこと。

 

 

正直、本の中身はあまり覚えていないけれど(3〜4年前に読んだものであるし、最近記憶が抜け落ちやすい)、ふとした時にこの本を思い出し、石田ゆり子さんを思い出し、心がフッと軽くなることがある。ただ、この本を思い出すだけで。彼女を思い浮かべるだけで。

 

 

 

真っ直ぐな人は美しい。
今、懐かしく思って棚の奥から本を取り出して見たら、ページが色褪せていた。それが余計に愛おしく感じた。

 

 

 

『天然日和』にはどうやら続きがあったらしい。今度買ってこよう。