サワダさん

 

 

いい人と、いい人でない人の違いは、どこにあるんだろう。

 

今の職場に、以前物凄くいい人が居たらしい。私は会ったことがないのだけれど、その人を知っている人たちが皆口々に「あの人は本当にいい人だった」「今まで(60年生きてきて)あんなに素敵な人に会ったことがない」と言っているので、どんなに素晴らしい人なのか、できることなら私もその人と一緒に働いてみたかったなぁと思う。

 

どういい人だったのかはざっくりとしか聞いていないけれど、誰に対しても本当に親切で、本人曰わくこれまでに一度も人に対して怒った事がないらしかった。それだけを聞くとなんとなく平凡な事であまりピンとこないけれど、その人たちの、彼女を思い出して話す雰囲気に、いかに彼女が素晴らしい人であったかがよく表れていて、だから私は彼女に会ったことはないけれど、彼女が本当に素敵な人であったことはよくわかっている。

 


人は人それぞれで(?)、色んな性格の人がいるし、時・場所・場合によってそれは変化するし、相手との関係によっても異なってくるし、受け手側もまた同じように、その時々で相手の印象が変わってくる。同じ人間同士でも、TPOが異なれば互いの印象も多かれ少なかれ変わるはずだと思う。

 

自分の事を「気の利く世話好きな人」だと思っている人を私はそうは思わなかったし、独特であまり周囲の人とうまく関係を築けていない人を私は好きだったし、いくら自分でそう思っていても周りはそうとは思っていなかったりもする。

 

そんな中で皆に一様に「いい人だ」と思われるのは本当に素晴らしいことで、本当に素晴らしい人で、じゃあ一体、どうやったらそんな素敵な人になれるんだろうか。

 

いい人になろうと思ってなれるものではないし、無理していい面をしてみてもいつかは崩れていくし、たとえ一部の人に好いてもらえたとて万人に好かれるのはとても難しい。

 

 

 

人との関係を築いていくのって、本当に難しい。トランプのタワーを作るより、髪の毛に乗るくらいの小さなワイングラスを作るより、もっとずっと難しい。

 


ただ、万人に好かれなくても、私を好いて慕ってくれる一握りの人たちを、精一杯大切にしよう、と思えた今日だった。