森になりたい

 

 

私は今モーレツに、森になりたい。


静かで穏やかで豊かな植物、動物たち、時には妖精(本当にいると思っている)、そしてそれらを守り率い支えている大樹、そう、

 

私は森になりたい。

 


現実的に考えれば森に住みたい。
鳥のさえずり、葉々のささやき、木々のぬくもり、花々の香り、清々しい風、優しい大地、温かく木漏れる太陽、静かで穏やかな日々、時をも忘れる生活、現世と他世の間のような空間、他を思いやり誰にも邪魔されない暮らし、本当の意味での共存、規則も罰則もない自由な世界、そう、私は今、とにかく、モーレツに、森に、住みたいのである。

 

 

 

怒る、や悲しむ、や苦しむ、のような負の感情を持つことは本当に疲れる。
他を、特に人間を、理解するのなんて殆ど難しいし、わざわざ無理矢理に理解する必要はないのだと、諦め半分に思う。

 

結局のところこの世界は、この私の人生は、私の中で起こり、生き、過ぎ、死んでいく。故に私は私の中に、森を作ることができるような気がしてきた。

 

私は今日から私の森に住むのである。