秘密基地

 

 

夜、電気を消して目を瞑って音楽を聴いている時、これが全てだなぁと思う。

 

何の全てなのかははっきりしないけれど、例えばこの街全体が、それかこの部屋の空間全てが、もしかしたらこの人生の全てが、今この、目を閉じて耳からやってくる音楽の、この一連の流れの中に、ある気がする。

 


映画のエンディングソングみたいで、死ぬわけではないけど、これまでの人生がエンドロールのように流れていくような気分。


このまま終わってもよいな、と思う。
とても幸せな気持ちで。
このまま終わるような気もする。

 

 

 

こういう、時折うまく説明できないような、不思議な感覚がすごく好きだ。誰かも同じような体験をしているかもしれないけれど、おそらく一生自分にしかわからない感覚。秘密基地にいるような気分。自分でもどこにいるかわからなくて、誰かにもわからない時間、空間。瞬間移動でも時空を越えるわけでもない、気持ちだけのことでもない、どこにでも行けそうな気がする。たぶん脳みその中だけの、世界で、本当に物凄く不思議な感覚。

 

 

こういう時、もしかしたらパラレルワールドにいるのかもしれない。パラレルワールドって、いかにも空想的で嫌だな〜。別空間に、いるような感じ。

 

 

 

 

夜が終わってしまうの、いやだなぁ。