夏の匂い

 

 

夏の匂いはなんの匂いなんだろう。
ここ数日で、物凄く夏の匂いがしている。


夏はよい。
夏は、夏というだけでよい。
ジリジリと音を立てんばかりの陽の熱さも、モワッとしてボヤッとしてしまう空気の籠もり具合も、ジメジメしていてイラッとしてしまうほどの雨も、耳にこびり付いて離れない蝉や蛙の鳴き声も、暑くて寝付けない夜も、かといって冷房は付けずに窓を開けておく時間も、早い朝も、ちょっぴり薄ら寒い朝も、一日の始まりから終わりまで、何もかもが、よい。

 

夏の眩しさが本当に好きだ。
他に何も言わせないような、我が道を行くような、自由気ままで愉快そうな、怖いもの知らずのような、夏のそういうところが本当に好きだ。

(「〜だ。」という書き方、「吾輩は猫である」くらい偉そうでかしこまっていて、しっくりこない。)

 

 

とにかく最近急に夏を感じ始めて、高揚が止まらない。胸が熱くなって、泣きそうになる。本当に、泣きたくなるの。夏に対して。
夏のこの胸の高鳴りと切なさの矛盾が、何とも趣深い。

 

 

 

毎日色んな事に一喜一憂して、先のことを考えて希望を持ったり絶望したりを繰り返して、頭がこんがらがったりして、結局答えの出ない毎日だけれど、今日たまたま見つけた記事に出ていた人がね、「自分の精神の自由以上に大切なものはない」と言っていて、一瞬、何かにフワッと持ち上げられたような気分になった。

時々、誰かの言葉に掬い上げられるような気持ちになることがある。

 


自分の命、自分の人生だもの、誰のものでもない、誰の為でもない、世間体的にはあれやこれや面倒くさいけれど、自分の好きなように生きて、好きなように死んだらいいと思う。理解されなかろうと、私はとことん自分の意思に従って生き、死のうと思う。思った。今。