八月

 

 

 

八月。

 


深夜でも三十度を超える真夏。

空気はモワモワ、肌はベタベタ、紫外線もバチバチ、誰かが「概念上の夏は好き」と言っていて、あ~、確かにクーラーのある涼しい部屋から入道雲を眺めたり蝉の声を聞いたりするのは好きだな~、と思ってしまったけれど、やっぱり私はモワンモワンでベッタベタでバッチバチの夏の中にいるのが好き。

 


仕事を変えてから、規則正しい生活を送っている。以前は何もない休みの日など寝休日が当たり前だったけれど、今や仕事の日よりも早く起きてしまうようになった。ザ・健康。

 

 

 

実家の留守電に、近所の人からの「獲れたキュウリをいつものところに置いておきました。よかったら食べてください。」というメッセージが入っていた。じんわりしてしまった。ここは本当に素晴らしいところだと思う。今のネット社会、(による直接的な人的コミュニケーションを避けた)孤独社会が進む中で、こういう少し原始的なやり取りがあると、ホッとする。私も結局親世代に比べたら人との距離を取り気味だけれど、やっぱりこういうコミュニケーションは大切で、素敵だなぁと思う。

 

 

 

 

終戦から73年。

毎年少しずつ、戦争経験者の方たちが減っていく。毎年その方々の体験談や、それに基づくドラマやドキュメンタリーをテレビで見聞きするけれど、その度に喉が詰まって悲しくなって、絶対に忘れてはいけないと思うけれど、結局未経験者の私たちには、雀の涙ほどのことしか分かり得ない。だから、経験者の方たちがこの日本から、この世界から、完全にいなくなってしまったら、その時を考えると本当に怖い。

 


そうして今年もまた、私は今日を生きたことに感謝する他ないのである。私なりに、73年前の広島に、長崎に、その時代を生きた人々に、想いを馳せてはみるけれど、なんとも無力に思えて、結局はここにこの命があることに、精一杯感謝をして、明日も生き抜いてやるぞと、踏ん張るしかないのである。

 


私をこの世に導いてくれたご先祖様には、頭が上がらない。有難い限りです。

 

 

 

 

 

 

最近、毎日闘っている。よい意味での葛藤。

 

 

 

 

 

 

 

と、いう独り言を、また八月に残してきてしまった。いつも頭の中は散らかり放題。

 

部屋の物の配置を少しだけ変えたら、気持ちも少しだけ新しくなった。

 

 

 


今日は今日の風、明日は明日の風、見えないものほどしっかり感じ取っていたい。