春は何処へ桜は六分

 

さすがにもう春だと思って、マフラーもタイツも手袋も置いて来たら、堂々と冬が居座っていて驚いた。やられた。辛うじて、保険として冬の上着を着てきたのが、救いだった。

 

首が寒い。

傘も持っていないのに、雨まで降ってきた。

 

ネギの頭の、辛〜い部分を食べてしまい、口の中がいつまでも臭い。明日の仕事が心配。

 

そしてなぜかお腹も痛い。

原因不明の体調不良ほど不安。

 

電車に乗れば、隣でカップルがずっと、イチャイチャしている。

 

携帯の調子もなんだか良くない。

 

 

こういう日がたまにある。

大したことはないのだけれど、小さな負が、続く時。(カップルは、悪くないけど…)

けれど大抵そういう日が過ぎれば、その分のよい日がやってくる。だから気にしない。

 

 

今日は一日、仮面を被っているような気分だった。着ぐるみを着ている、と言う方が近いかもしれない。嘘を吐いた訳でも、腹の内を隠した訳でも、猫を被った訳でも、何でもないのだけれど、親しい人と話をしている時、何か、自分の外側に一枚膜が張っているような、不思議な感覚だった。悪い気分ではなかった。こういう生き方も悪くない、と思った。

 

 

 

夏と冬の気温を足して半分こにできたらいいのに、と、毎年毎年、夏と冬がやって来る度に思う。夏は暑過ぎるし、冬は寒過ぎる。人間は恒温動物と言うけれど、結構ギリギリで生きている。確かに極端な場に居なければ簡単には死なないけれど、正直毎年キツイ。夏は本当に息が苦しくなるほど暑いし、冬は心臓が止まりそうになるほど寒い。

 

なんというか、絶対に無理なことだよねぇ。こうやって、どんどん地球は滅亡に向かっていくのだね。(何が)

 

億万長者もホームレスに部屋をひとつくらいあげてあげれば、と思うけれど、そういうことができそうでできないから、人類も近いうちに滅ぶ。

 

どちらにせよ私たちはあと数十年の命、地が割れ天が崩れない限り、平和なうちに生き終えられる、のなら、ラッキーだ。