こんなに長い幸福の不在

 

ずっと、長い間、同じ事を考え続けていると思っていたけど、時間や環境と共に、変化しているんだなぁと思う。

 

数年前と同じ本を読んでいる時。

昔はよく意味がわからなかったことが、胸にズシンと来ることがある。単に大人になって、世界が少し広がったというのもあるが、今の自分が置かれている状況とリンクしていたりすると、その本への理解度が全く変わる。

 

はたまた物凄く共感できて大切にしていた本を読み返した時、あまりしっくり来なくなっていることもある。当時のあの衝撃はなんだったんだと、本当に不思議に思う。

 

 

「憂鬱」という言葉は、こんなにも可愛らしい言葉だったのか、と驚いている。

もっと前には、最も暗く重たい言葉だとさえ思っていたのに。

 

だるい、面倒くさい、つまんない、そういった、今日は大学の講義サボっちゃおうぜ、みたいな、気安さ。軽さ。微笑ましさ。

 

 

しばらくの間バイブルにしていた本が、いつのまにか薄っぺらくなってしまった。

とても残念なことだけど、今の自分の心の位置がわかったことは、よかったのかもしれない。