天網恢恢疎にして漏らすな

 

川の水が、日々少しずつ、でも確実に、岩を抉っていく。

抉れた部分は元に戻らない。

 

悪いのは水か、川か、地形か、風か、もしくは岩そのものなのか、あるいは、悪自体が存在しないのか。

いつか、褒め称えられるのは、土地か、水か、岩なのか。

 

生きるというのは、そういう毎日だと思う。

そういう、曖昧で、見方によって、どうとでも取れる、そしてどれもが正しくてどれもが間違っている、そんなものだと思う。

 

それでも確かなことは、そこに傾斜があって、水があって、それが流れる範囲があって、風が吹いていて、岩が抉れるということ。

そして、抉れた岩は元に戻らないということ。