影のようにずっと、暗い感情が付き纏っている。

どこに居ても何をしていても何を思っていてもずっとずっと根のように張り付いて離れない。

 

光が強い程影も強くなるというのは誠その通りで、だから私は闇を好む。真っ暗ならば影すらも存在し得ない。影どころか、何もかもが闇に呑まれて、安息の空間が生まれる。

 

現実の世界、そんな風にはいかないけれど、ふっと気持ちが軽くなることがある。

 

親しい人からの愛、見知らぬ人の何気ない言葉、信教のような音楽、美しい絵画、色鮮やかな衣服、愛くるしい動物たち、息を呑むような自然、お酒、本、何もない自由な時間、あったかい布団、眠りに就く瞬間、心温まる物語、優しさ、平和、そういうものが束の間、羽根となって地面から浮かせてくれる。影から離してくれる。

 

そうやって生きている。